ネイルサロンで働く際、お店ごとに施術方法や
接客方針が異なることがあります。たとえば、
一部の店舗では時間を短縮し多くのお客さん
を受けることを重視していて、アフターケアを
後回しにするお店もあります。
逆に、質を大切にし、時間をかけるお店も存在
します。ですが、スタッフが少ない場合や一人
で営業している場合、時間をかけると利益が
出にくくなることもあります。
ネイルサロンの質は、お客さんや働く側からも
ある程度外側から感じ取れます。メニューの
価格や提供される内容からも、お店の方針が
窺えることがあります。そのことから施術に
関しても最初に覚えたやり方が染み付いてし
まい、修正が難しくなったりします。
これまでのやり方が当たり前と思い込んでし
まい、新しい方法を取り入れることをためらっ
たりします。
私たちは施術方法に関しては、ネイリスト協会
の指針に基づいて資格を取得しているので、
施術方法に関しては通常と違えばすぐに気が
つきます。そのやり方とお店の方針が違うこと
を感じながらも、そのお店の方針に従って業務
を行っている人もいます。甘皮処理をしなかっ
たり、工程を省いてしまい時短を重視するお店
もあります。
最速でオフしやすいようにフォルムなど考え
ずにジェル薄塗で仕上げたりします。
もちろん表面がガタガタになったり、うす過ぎ
て爪が折れると言うこともおきてしまします。
そこは格安時短で出来ることを売りにカバー
しているお店もあります。
ネットで海外の無メーカー製品を安く仕入れ
て、使用しているお店もあります。少し前には
無メーカーのジェルを国内有名メーカーの
容器に移し替えてお客様にもスタッフにも
わからないように使用しているなど、そんな
お店も聞きました。通常とは異なる方法を
採用している。これがサロンの実態です。
確かに、作業を素早く進めることはプロとして
大切なことですが、それと手を抜くことはまっ
たく別物ですよね。施術過程を省いたり、
ジェルを節約するために手抜きな方法を採用
するのは、少し疑問です。
そのような環境で働いてきた人から聞く
問題点をここで詳しく説明することはあえて
避けますが、通常とは違う作業工程に驚いたり
することもあります。まさにネイル工場です。
例えば、お客様のお爪に対してマシンを使用
する際、常にスピードはマックスでオフ作業を
したり、作業が早く進む一方で、爪がペラペラ
に薄くなってしまうリスクもあります。
回数を重ねると気づかぬうちにそうなります。
施術者もお客様も直ぐに気付かないことが
多いです。
これまでその方法で問題なかったからと、
そのまま続ける人もいるでしょう。以前は他の
スタッフもいたため、問題に気付けなかった
こともあると思います。後に独立すると全て
の責任が自分にかかることになり、改善点に
気付くことも増えるかもしれません。
一度身についたやり方は修正するのが難しい
というのも本当ですね。そういうことに不満
が募りお店を変る方もいるお話はよくお聞き
します。お店によって施術方法が変ってしま
うのは、利益あってのサロン経営と考える
経営者によって施術方法や接客の方針を決め
られることが多いのでネイリストの考え方と
はかけ離れてしまうことも事実です。
業務の効率化や生産性を上げると言う考え
方を否定はしませんが、あまりにもネイルを
施術する私たちネイリストの責任やプライド
を無視した作業工程や接客方針には賛成でき
ませんし、大切に考えてきたことを過剰品質
のムダとしてあっさりと変えられることに
複雑な気持ちです。
直ぐに浮かない取れないお爪を傷めない。
綺麗なフォルムの為には材料の出し惜しみ
はしない。長年考え、身に付けてきた技術を
私たちが自信を持って提供できるネイリスト
であることを大切にやっていきたいです。